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明良洪範
十三
利勝の家士に寺田与左衛門と雲者あり、此者も深智遠謀の者にて、家光公にも事によりては、此事与左衛門に問て来れと仰せ有し事あり、此与左衛門即答できざる時は、宅へ帰り、一間へ籠り、戸お立、夜分の如く行灯おともし、其もとに坐して事お考へ、決定するに、一度も誤りし事なしと也、