[p.0256]
新編相模国風土記稿
二十四/足柄下郡
小田原宿〈○中略〉 新宿町〈○中略〉
土産提灯 俗に小田原挑灯(○○○○○)と称するもの是なり、古へ当町に住る甚左衛門なるもの、関本最乗寺山中の木材おもて始て製す、霊山の木なる故にや、深夜狐媚夭怪の厄お免るヽ由、伝説して世に弘り、享保の頃より、専ら諸国に通用せり、甚左衛門が家は断たれど、其親属当町に一戸、万町に一戸ありて、今に是お製造するお家業となせり、町々毎廛にて粥ぐといへど、製造は彼二戸に限れりと雲、