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古今著聞集
十七/変化
二でうの御時、五せつ卯日の夜、とのもづかさしそくおさして、南でんの東北のすみのはしおとおりけるに、うしろよりくびのほどおおすもの有けり、則とのもづかさたえ入にけり、あはてゝ紙燭おふところに入たりける程に、衣しやうに火もえ付て、すでに死ぬべかりけるが、からくして命計はいきたりけり、