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貞丈雑記
八/調度
一掌灯と雲事は、禁中にて節会の時、主殿寮の官人、片手に脂燭お持、片手に小きほうろくの如くなる土器お持て、下より脂燭お受けて持来り、御殿の階お昇りて、主殿司と雲女官にわたす、主殿司受取て脂燭と土器お持て、坐に居るお掌灯と雲、〈掌はたなごヽろとよむ、手の事也、〉右の土器の中に、代りの紙燭おも入置也、火の下へ落べき用心に、土器お持て下よりうくる也、