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槐記
享保十二年十月廿九日夜、参候、〈○山科道安〉津軽殿より献上の蠟燭おとぼされて、御うつし物お遊ばす、〈○近衛家熙〉其光り明にして油煙なく、色白きこと白雪の如くにして細し、他の蠟燭の数丁がけにたつことなし、奇麗なること雲ばかりなし、是こそ夜会の御茶に、然るべしと申上しに、さればとよ、其種弁に雲つかはせし也と仰らる、