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義経記
二
かゞみの宿にて吉次宿にがうとう入事
ゆりの太郎、ふぢさはに申けるは、みやこに聞え亢る吉次といふ金あき人、奥州へ下るとて、おほくのうり物おもち、こよひ長者のもとにやどりたり、いかゞすべきといひければ、〈○中略〉くつきやうのあしがるども五六人、はらまききて、あぶらさしたるくるまだいまつ(○○○○○○○)五六たひに火おつけて、天にさしあげゝれば、ほかはくらけれども、内は日中のやうにこしらへ、〈○下略〉
ゆりの太郎、ふぢさはに申けるは、みやこに聞え亢る吉次といふ金あき人、奥州へ下るとて、おほくのうり物おもち、こよひ長者のもとにやどりたり、いかゞすべきといひければ、〈○中略〉くつきやうのあしがるども五六人、はらまききて、あぶらさしたるくるまだいまつ(○○○○○○○)五六たひに火おつけて、天にさしあげゝれば、ほかはくらけれども、内は日中のやうにこしらへ、〈○下略〉