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倭訓栞
前編二十五/比
ひうち 日本紀、倭名抄に燧およめり、火お擊出すの具なり、霊異記に燧おひきりびと訓ず、新撰字鏡に磬おひうち石とよめり、今諸国に産す、本草にいふ玉火石なるべし、伊勢度会郡の村名に火打石あり、旅立人に火打お贈る事、歌集に多く見えたり、日本武尊の故事に起れり、古事景行記にくはし、〈○中略〉火打金は火鎌又火刀と見えたり、