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武雑記補註

火打袋は、火うちがま、火打石、ほくちなどお入る袋也、此袋は太刀かたなに付る物也、これは軍陣又は旅行夜道等の用心の為なり、然る間御前又ははれなる時には、入用になき物なる故、付候事は有まじき也、火打袋は織物などお丸く切て、さしわたし幅七寸計にして、うらお付縫て、へりに糸にてかゞりお付け、緒お通して引しめる也、今のきんちやくといふ物は、此火打袋にくすりおも入て持也、