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物類称呼
四/器用
発燭つけぎ〈ゆわうぎ〉 東国にて、つけぎといふ、関西にて、ゆわうと雲、越後にて、つけだけと雲、土佐にて、つけぎと雲、又つけだきと雲、
今按に、関西にてゆわうといふは、ゆわうぎの下略成べし、又外より重の物にもあれ、何にもあれ贈り来る器の内へ、うつりに紙或はつけ木お入て返す事有、硫黄又いわう共いひ侍れば、祝ふといえる心にて、つけぎお入る事ならん、又東国にて、うつりといへる物お、土佐の国などにては、其器に入て返す物の名おば、とめといふ、又越後にてつけ竹といふは、むかし竹お薄くへぎて、今のつけぎの如く用ひたるとそ、土佐のつけだき、つけだけ成べし、