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たはれ草
いつの時にかありけん、材木のつひえおいとひ、のりものゝ杠ほそまりしとき、むかしはさゝら竹に、硫黄おつけ、これおつけたけといひしに、今の世ひの木お用ふるいかゞなりと、こざかしき人のいへるにより、さらばとて、つけ竹にあらたまりけれど、ほどなくやみてけり、小事にこゝろおもちふるもおかし、またはなしのみきゝて、いまだこゝろみざる事お、みだりにいひもちふるもうらめし、