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弁内侍日記
十一月〈○完元四年〉十四日の夜、雪いと面白く、みちたえてつもりにけり、〈○中略〉暁がたことにさえたりければ、うへのおのこども、殿上のおりまつめしけれども、つきたるよし申ければ、ひろ御所のきたむきにて、かれたる萩の枝など、おり松にせられけるときゝし、いとやさしくて、弁内侍、
霜かれのふるえの萩のおり松はもえ出る春の為とこそみれ