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宇津山記
ある人に、文のついでに、としの暮の約有しお、はしがきに、
年の暮茶炭薪と山のいもとねてのよな〳〵むつごとにして、やがていろ〳〵もて来りぬ、草庵の旦那安元、歳暮の数々注文に、
炭二籠薪廿把つと二つ大根牛房かへしおぞ待、なにゝてもかへしすべきなし、
草の庵かず〳〵君が心ざしおき所なき年の暮哉