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摂陽群談
十六/名物土産
一庫炭(ひとくらずみ) 河辺郡一庫(ひとくら)村の山中に炭竈お造、山林の歷木(くぬぎ)お伐採、竈に入、口お閉塞で以土塗之、日お経て開之、市店に送るの始、先池田市に立お以て、世に池田炭と称す、今近郷に習得之、所々に竈お置り、此炭自然と香甚美にして、火気強く和也、因て茶炉(ふろ)に置り、竈本に撰除お折炭(おれずみ)と号沽市也、
同榾炭(かくひすみ) 同郡同所の山林、並に豊島郡池田東山村の山家、歷木の根お掘採て竈に焼、能火お持こと久し、