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大和本草
三/火
炭火 本草お考るに、櫟(いちい)の炭火は一切の金石の薬お煎、烰炭火は百薬お煎じあぶるに宜し、今按かたぎくぬぎなどの堅木の炭性つよし、発散瀉下のつよき薬お煎ずべし、其余のやはらかなる木のけし炭お用て、滋補の薬お煎ずべし、〈○中略〉山より焼出す堅木の炭火は、猛烈にて衾炉に用べからず、酒家の甑下にたく火のけし炭お用ゆべし、又鍛冶の用る炭も亦火烈しからず、