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壒囊抄
十一
万灯会とて多火お焼お、俗人常に由緒お尋ぬと雲共、未だ其所由お不知、其儀如何、万灯会の事猶も由緒あり、一巻の菩薩蔵経曰、燃十千灯明懺悔衆罪雲雲、十千と雲は是万也、又性霊集に、高野山万灯会の願文あり、其詞雲、
於金剛峯寺、聊設万灯万華之会、奉献両部曼荼羅四種智印、所期毎年一度奉設斯事、奉答四恩、虚空尽、衆生尽、涅槃尽、我願も尽んと雲雲、
大師是程に誓願し給、凱少功徳ならんや、されば世流布の詞にも、長者の万灯より貧者が一灯共申めり、