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古今要覧稿
器財
竹笠
笠てふ物品々有り、なかにいと古きは竹笠なるべし、すなはち今に有所のものにして、古くも替りたる事有るべからず、隻竹おもて製したる笠なり、これ笠てふもめゝはじめにして、令義解、延喜式にも、その名見えたり、神代紀に所謂青草お結束て蓑笠とすと有れど、これは其時にはかの事なれば、有あふ青草おかりつかねて、みの笠の替りにしたるのみにて、常に用ふる為に製したるにはあらざるなり、其外諸書に笠とのみ見えたるはかならず、竹笠なるべくおもはる、