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甲陽軍鑑
十一/品第三十六
一駿河田中御逗留の間に、織田信長より、佐々権左衛門使者にて御音信、からのかしら二十、毛氈三百枚、猩々緋の笠(○○○○○)、是は四年さき、公方霊陽院殿都へ御供仕、征夷将軍に備奉りたる、弓矢に縁起のよき笠にて候と、信長申されて、信玄へ送被遣之、信長使者居候処にて、土屋平八郎に其笠お被下、信長に武篇あやかれと、信玄公被仰也、