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柳亭筆記

富士おろし
富士おろしは、編笠の名なり、其形富士に似たるゆえの名なるべし、西鶴大鑑〈貞享四年印本〉年の頃廿四五と見えたる人、富士おろしといふ大編笠おぬげば、紫の手細にて頬かぶりして顔は見せざりきとあり、〈○中略〉落花集、〈完文十一年以仙撰〉雪やつれて江戸風になる富士颪、重頼、