[p.0402][p.0403]
嬉遊笑覧
二中/器用
塗がさ、〈○中略〉猿楽には男女ともに塗笠お用、また追分絵の藤花持たる女塗笠おきたり、古き体と見ゆ、〈○中略〉松の落葉、〈源五兵衛踊〉ずんとくぼんだぬり笠雲々、又〈傘踊〉婿殿は夏くべいとて、夏は何おみやげに、ずんとくぼんだぬり笠めそなり〳〵、いつそとがり笠、ほそり笠とあり、今のすげ笠のやうにて、中のくぼみたる塗笠に、紅紐お上に通して結びたる女笠、享保二年花見の絵に見ゆ、然れ共右の小歌は、元禄中うたへるにて、其頃より行はれしなり、