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西鶴名残之友

元日の機嫌直し
室町通り西行桜の町に、御所染の絹商売して、菱屋といへる人あり、〈○中略〉身の上次第に面白からぬ年くれて、余所の宝お数ふる隠蓑かくれ笠に袋お打出の小槌まで、絵書きたる舟お、敷寝の夜の夢に、〈○下略〉