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武家当時装束抄
行粧具
傘 柄黒塗〈又朱にても子細なし〉小骨同断〈又朱ぬり竹も子細なし〉紙朱〈元来武家に用るは油傘にて、主人下轅の時、雨天ならば袋お取り、えりにかけ、主人にさし懸るよしなり、今は別に朱紙の油傘お用意して持す方なり、依て日傘なり、油傘は朱の爪折也、日傘は爪折にあらず、又別に当の長柄おも用意して、都合傘三本なるもあり、家々の格によるべし、又朱紙の手傘も用意すべし、此傘は近習のものさすべし、室町将軍家の比、日からかさ拵様品々あり、公方様御日からかさ柄は黒うるし、小骨同前、紙は朱紙、うら紙はなし、大名は柄朱うるし、小骨黒ぬり紙黒し、うら朱紙なり、御供衆番方はこしらへ様赤うるし、小骨黒ぬり、紙黒し、裏紙黄紙のよしみへたり、〉