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万金産業袋
一/器財
傘細工
紋の書様、常のさし用かさに、もん所あるひは大字等お書んには、墨屑お二三日まへより水につけ、すり鉢にてよくすりてかく、透して見て村なきやうにぬるべし、文字なればとて、一向書ずては格別、少しにてもなおし懸ちては、ちくと計なおして置けば、油お引日にすけて至極むさし、よく斑なくぬりて油おひくべし、又朱紋といへ共大方は丹也、下地の白紙に丹にて書ときは、常のえのぐの如く、丹に薄にかわおいれて書べし、是なおむら見へてはむさし、扠陰にかきて薄墨おいれんには、海蘿(ふのり)にて墨おうすくしぬる也、薄すみはむら付たがり、ひきにくきもの也、右ふのり合にては、すこしもむらなく出来る、