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守貞漫稿
三十/傘履
享保以来、今世に至り蛇の目傘、端の青紙の所に定紋お描く、〈青紙おきりぬき、白紙お以て補之て記号お描く、〉近年江戸男女楓傘には、専ら莟て、骨番ひ以上に朱紋す、
江戸今世男女蛇の目傘、紅葉傘等には、莟て後に他と混ぜざるの備へに、左図〈○図略〉の如く黒蛇の目には朱漆お以て、自称の一字、或は家号の一字、又は定紋おも描之、白紅葉傘等には黒漆書す、京坂には希に誌之、江戸は不描お希とす、蓋三都と、もに日傘と雨傘も、番傘と雲粗物には不描之也、此印あるも亦開て前図の如く定紋は別に描く也、