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松屋筆記
六十七
傘の詩並天の説唐笠のことは、倭漢の書に所見おほし、薩天錫詩集上巻に、両傘の詩あり、開如輪合如束、剪紙調膏護秋竹、日如荷葉影亭々、雨裏芭蕉声〓々、晴天却陰雨却晴、二天之説誠分明、但操大柄常在手、覆尽東西南北行、此詩よく傘のさまおいひたり、又二天(○○)の名目あるお知べし、今は日傘雨傘(○○○○)の製殊なれど、此詩に拠れば、晴雨に一物お用たるにや、日笠の名、はやく聞えて、日笠の浦など名所にもあり、