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我衣
日傘は古来より有とみゆ、小児日傘も天和比より下る、地にても作る、五色の彩色したるものなり、青紙のはあつらへなり、藍紙にて一色に染たるもあり、近来大人もさす、僧医者のたぐひ、上方にては前々よりある由、
日傘は婦人に限るべきか、髪のそこねるおいとへば也、僧医のたぐいは、かむり笠お用ても可ならんものお、
完保の比よりさす日傘、皆青紙張なり、又小児山王八幡明神天王等の祭礼に、ねり子供さす笠は、皆丹染の一色なり、他人さして子供お覆ふゆへ、柄長し、のきには鈴又はきぬおはり、内には鈴守りふくさ等おつける、此余風今祭礼に残るものか、
大人青紙の日傘さすこと、完延二年己巳に御停止、再触完延三年午八月、別てきびしく仰付らる、〈小児計用る、翌三年より日傘にうるしおつかふ、〉