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賤のおだ巻
一宝暦の始めより、誰か青き紙にて張たる日傘おさし始めて後は、女の菅笠はすたりて、今は女の笠おかぶると雲ことは絶てなし、近き比の子どもらは、女の笠かぶりたる形は、しるまじと思、ふ位なり、〈○中略〉青傘は其比ことの外流行て、今はすたりたれど猶残れり、女の髪もそこねず、扁身日お掩ふゆえに、暑お避て甚よろし、