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貞丈雑記
八/調度
一からかさの柄立の事、〈○中略〉貞丈按、柄立はふくろお作りて、鞍の左の塩手に結び付て、傘の柄お袋に立て、持などする事なるべき歟、〈又牛の角にて作り、長さ二寸歟、又は一寸弐分計に拵へ、穴おあけて皮の緒お付る也、牛角おくりぬきて作るなるべし、又なめし皮にて袋お作るときも、一寸五分歟二寸程にてよく、是も穴おあけて、皮緒お通して留るなるべし、〉
〈頭書 光大曰、射手方聞書に雲、馬上にてからかささす様、先右の手にかた手綱に取て、その手にて弓の弦お取副て、弓おはたらかさずかゝへて置也、扠あきたる左手にて、からかさお取て、えだてにおし入て、しかととらへて、先の右の手に持たる弦お、左の人さしゆびと、たか〳〵ゆひとのあわひへ入て、弓おば持也、かた手綱にていかにはせまはすとも、くるしからざる也雲雲、或人滑韋の柄立袋お作りしお見たりき、貞丈翁の雲れし寸法より大きし、此方然るべきやうに思はる也、図如左、〉 〈口二寸、丈四寸五分あり、〉