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北辺随筆

雨衣
敏達紀雲、是日無雲風雨、大連被雨衣雲々、この雨衣といふは、油衣にやあらん、〈○中略〉後撰集に、ふる雪のみのしろ衣うちきつゝ春きにけりとおどろかれぬる、とよめるは、蓑代衣の心なるべし、これも又其制つたはれるにやしらず、文永加茂祭、また年中行事の絵巻物に、手に持ちたるもの、雨衣なりといへば、その図おこゝに載す、〈○図略〉