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万金産業袋
五/衣服
寸尺並字類〈○中略〉
また合羽は〈氈衣(かつぱ)〉紙、絹さらしにてひとへに製し、油おひきたる、是お雨油衣(あまがつは)といふ、又木綿小倉の類お、紺、びんらうじにし、麻うらなどおつけ、衿、鎖袱(こはぜ)の座のしやうそくお細毛布(ぴろふど)、羅紗にて風流に製し、雨天の時、路次にて小袖おぬらすまじきために著用する也、これおもめん合羽といふ、遠路の雨の用心にはならず、漸一日路、道十里ばかりおゆかん時の雨具には成もやせん、はや二日路には不用也とて、是お十里合羽ともいふとぞ、