[p.0503]
義経記

しやなわう殿くらま出の事
吉次いまだ夜ぶかに京お出て、あはだ口に出来る、〈○中略〉あひ〳〵ひきかきしるしたるすりづくしのひたゝれに、秋毛のむかばき(○○○○○○○)はいて、くろくりげなる馬に、つのふくりんのくらおきてぞのりたりける、児(ちご)〈○牛若〉おのせ奉らんとて、つきげなる馬に、いかけ地のくらおおきて、大まだらのむかばき(○○○○○○○○○)くらおほひにしてぞ出きたる、