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空穂物語
俊蔭
きぬはたはかなきひとへのなへたるおきたるに、かほかたらはたゞひかるやうにみゆ、あやしみおどろきて、まらうどけふはきたのゝ行幸なり、御ともにつかうまつれるに、おもしろきものゝ音のきこゆれば、たづねまいるとて、むかばきおときて、こけのうへにしき、こちとてすへ、われもい給て、ことのよしおとひ給ふ、