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古今著聞集
一/神祇
いつ比の事にか、徳犬寺のおとゞ〈○藤原実定〉熊野へ参給ひけり、〈○中略〉ほうべいはてて、証誠殿の御前に通夜して、参詣の事、ずいきのあまりに、大臣の身に藁沓はゞきおちやくして、長途おあゆみまいりたる、ありがたき事也と、心中に思はれて、〈○下略〉