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嬉遊笑覧
二上/服余
女の脚半(○○○○)は、享保二年、娘容儀草子に、昔は八瀬大原の女ならでは、脚半といふものははかざることなりしに、近年の女世智かしこくなりて、歷々の奥様まで小袖の裾おいとはせられ、紅の脚半蹴かへしに見えて、其女中の下心思ひやられて、さもしかりきといへり、〈今は老婦は白き脚半にてありくは見えたれど、其外にはなし、また茶屋女などの年たけたるは、ぱつちおはくあり、幼き女子は良賤ともに、紅のぱつちおはき、花見野がけに出、○下略〉