東遊記
二
寒気指お落す
雪深く、〈○中略〉夕ごとに宿屋に著ても、草鞋脚絆其儘には解ず、彼地〈○北国〉の者、其足囲炉裏にくべ給へといふにぞ、初の比はあやしくおかしかりしかど、余りに脚絆のとけざるゆへに、教のごとくに任せて、いろりに足さしくべたるに、火のあつきお覚へず、
雪深く、〈○中略〉夕ごとに宿屋に著ても、草鞋脚絆其儘には解ず、彼地〈○北国〉の者、其足囲炉裏にくべ給へといふにぞ、初の比はあやしくおかしかりしかど、余りに脚絆のとけざるゆへに、教のごとくに任せて、いろりに足さしくべたるに、火のあつきお覚へず、