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太平記
十八
越前府軍並金崎後攻事
同〈○延元二年正月〉十一日雪晴風止て、天気少し長、閑なりければ、里見伊賀守お大将として、義治五千余人お金崎の後攻の為に、敦賀へ被差向、其勢皆吹雪の用意おして、物具の上に蓑笠お著、踏組(ふぐつ)の上に橇(かんじき)お履て、山路八里が間の雪踏分て、其日葉原迄で寄たりける、