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嬉遊笑覧
十一/商賈
あふこは、おとあと通ふこと多ければ、おひ木なるべしといへれど、相木の意にて通ずべし、又荷ひたるさま、はかりにかけたらむやうなれば、俗には天秤棒(○○○)といへり、世にいふ婦人これおこゆれば、折るゝとて忌ことありとなむ、これ誤り伝へなり、人倫訓蒙図彙、法論みそ売売の処に、曲物に奇麗なるこもおおほひさしになひ、何方にても下にすぐにおく事なし、一方お高き所へもたせ置、人にふみこえさせぬよし、子なき女これおこゆれば、かならず懐姙すといへり、さらば望みても、こゆべき事ならずや、