[p.0535][p.0536]
雅亮装束抄

もやひさしのてうどたつる事
帳のひんがしのまにひんがしにそへて、いか二つお、きたみなみにたてゝ、そのうしろに五尺の屏風お三帖たつべし、まへにたゝみ二枚おしくべし、つねはいかひとつおたてゝ、屏風も一帖たてゝ、たゝみも一枚しく、つねの事なり、御さうぞくおかくることあらば、まづ御はかまお、いかのしものこしに、みなみにむけて、右おうへにたゝみて、こしひきのべてかくべし、かみのこしに、御ぞにうはぎ、うちぎぬ、こうちぎ一つおかさねて、れいのきぬたゝむやうに、せおりにして、右おうへにてうちかくべし、かくるほど御そで三寸ばかりおみせてかけよ、いたくみえぬればわろし、もし御からぎぬあらば、それおもたゝみて、御ぞのうへにかくべし、御裳あらば、ふたへにおしおりて、御はかまにならべてかくべし、もしこの御いか、ほかにたつことあらば、いかさまにも、きたに御まくらおもむけ、又たゝみやうおもむけてかくる事あるべからず、いかさまにもびんぎによるべし、