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倭訓栞
後編六/幾
きせる 煙管、又烟吹おいふは蛮語也といへり、京にきせろ(○○○)、伊勢にきせり(○○○)とも雲、其初は紙お巻て、たばこおもりて吹ける、次で葭、葦、細竹等おそぎて用ふ、羅山文集にも佗波古〈は〉草名、採之乾暴、碗其葉、而占于紙、捲之吹火、吸其烟と見えたり、其端盛烟酒者称雁頸、其所〓称吸口、種が島には、えんつうといふ、烟筒なるべし、烟筒も漢称也、蝦夷島にては、せろんぼといふ、おらんだぎせるは全体すきやの物也、今茵の類に名く、土歯也といへり、又草蓯蓉也といふ、南蛮きせるともいふ、