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源氏物語
五十一/浮舟
ちいさき舟に乗り給て、さしわたり給程、はるかならん岸にしも、こぎはなれたらんやうに、心ぼそくおぼえて、つとつきていだかれたるも、いとらうたしとおぼす、〈○中略〉女も、めづらしからむみちのやうにおぼえて、
たちばなのこじまはいうもかはらじおこのうき舟(○○○)ぞゆくへしられぬ、おりから人のさまに、おかしくのみ、なにごともおぼしなす、