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駅逓志考証
是年、〈○天保四年〉江州大津百艘船、其数年々増減ありと雖ども、大小合して百三十五艘、渡吏八人、水手八十人と為し、若臨時公用の為に、多数の船、及水手お要する時は、尾花川町に令して之お出さしむ、又湖水〈○琵琶湖〉の前岸、矢矧村お以て、其水駅と為し、此に船高札お建て、船会所お設け、渡吏五人、船三十二艘、水手六十人お置く、又大津より松本村に通ずる間道あり、此に榜文お建て、旅人及貨物の逓送お為すお禁ず、是其百艘船漕運の衰頽お防ぐなり、〈宿村大概帳〉