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和漢船用集

舟飾之事
本邦塗船の品、蠟色、本朱、紅粉がら、真塗、花塗、溜塗、かき合塗、ちやん塗等あり、小船塗、小早或は丹青お以て彩昼ける者、伊達小早と称す、万葉に、赤曾保船、佐丹塗之船、赤羅小舟とよめり、漢に画船、紅船、彩画舟といへり、凡船に漆すること、飾のみにあらず、一には水おはぢきて疾ことお要す、二つには水垢お払ふて、腐ざらんことお欲す、唐史に曰、杜亜、淮南に節度たりし時、民競渡おなす、亜その舟の軽快からんことお欲して、乃船底に髹と見へたり、