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平家物語

鵼の事
よりまさ、きつと見あげたれば、くもの中に、あやしき物のすがた有、〈○中略〉矢とつてつがひ、南無八幡大ぼさつと、心の中にきねんして、よつひいてひやうとはなつ、手ごたへしてはたとあたる、えたりやおうと矢さけびおこそしてんけれ、〈○中略〉さてかのへんげの物おば、うつぼ舟に入て、ながされけるとぞ聞えし、