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洞房語園異本考異

遊女の伝奏御屋敷御評定所へ召れし趣意は、国初御評定所へ、式日に至り、朝夕の御賭の義は、下奉行に被仰付候処、手支候事はなけれ共、御歷々の御給仕の人に事かき候よし、かゝるお国老板倉四郎左衛門、〈伊賀守勝重従四位侍従〉了簡お以て、吉原町の遊女お召使れたり、〈○中略〉伝奏御屋敷へ召れし遊女の往来には、舟の上には苫覆おいたし、幕簾おかけたるお初めとして、外外にも屋形舟といふもの始りけると也、是楼船の権輿と聞えたり、