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東都歳事記
二/五月
船遊山〈○中略〉 屋形船は、宝永の頃より時花(はやり)出で、百艘に極りしとぞ、東国丸といへるお大船の始とし、夫より続て、熊市丸、山市丸あり、熊市は座敷九間に、台所壱間ある故なり、山市は、座敷八間、台所一間ありし故の名なり、神田一丸といへるは、神田川にて一番の大船なりしとぞ、