京都御役所向大概覚書

三

賀茂川高瀬船但京より伏見迄之事
支配人
角倉与一
一高瀬船数百八拾八艘 有船
但〈総長七間 但船極印無之 胴幅六尺六寸五分〉
登り舟壱艘に、荷物拾五石積、〈但川水少き節者、積足減申候、○中略〉
下り舟壱艘に、荷物七石五斗積、〈但川水少き節者、積足減申候、○中略〉
一高瀬船御運上壱け年銀弐百枚宛但元禄三午年より奉願、毎年大坂御城上納、
一角倉与一、過書高瀬支配之儀、六代以前吉田了以、権現様上意お以、嵯峨川、加茂川高瀬舟支配仕、其後大坂御陣之節、了以忰与一以方便、兵粮大坂御蔵より伏見〈江〉積登せ、其外御陣中御奉公仕候に付、為御知行代家領に被下候、元和元卯年、淀川過書船支配、〈並〉江州に而御代官所被仰付、与一入道素庵隠居、総領与一に家督被仰付候節、次男平次に、嵯峨川高瀬舟之儀、御分け被下、于今甚平支配仕候由、〈○中略〉
嵯峨川高瀬船之事
平次嵯峨川高瀬支配之由緒前記之 支配人
角倉甚平〈○中略〉
御運上銀弐拾枚 元禄三午年より依願差上之
但御運上銀、毎年角倉与一〈江〉相渡、賀茂川高瀬舟御運上一所に、大坂御金蔵〈江〉上納、
一船数七拾九艘 有船
取米拾〈け〉年平均、米千百六拾石余、払方引之、残る弐百石余、甚平取分、
内六拾三艘 高瀬舟、外は普請猟船、〈○中略〉
艇〈○高瀬船〉寸尺
長〈さ〉六間六尺
幅五尺七寸 但船極印無之
側高〈さ〉壱尺七寸
但丹波世木上河内、此弐け所之舟同じ寸尺、
長〈さ〉七間幅五尺八寸 右同断
側高〈さ〉壱尺六寸
但丹州園部、鳥羽川、関、宇津根、此四け所之舟同じ寸尺、