[p.0652][p.0653]
嬉遊笑覧
二下/器用
ちよき舟の名お按るに、今御船手の用る小舟おちようと雲ふ、二挺立は、是に類したるものにて、其名もこれお転じて呼べるにや、ちよろといふも、小き物の疾き義なり、ちよきは今も小手廻よきお、ちよき〳〵といふ、ちよろと同じ意なり、小早といふ舟あり、ちよろは即是なり、〈今小ばんと呼舟は、小(小下恐脱早)の転じたるなり、〉松落葉、〈両山通踊といふ歌〉おか山通ひの六ちよこばや〈六挺小早なるべし〉によろお八丁立て雲々、又しとゝん踊といふ歌に、四丁の五丁の六丁こばや、花のえじまへおせやれおのこ雲々、松の葉、〈船歌〉ちよ、ぎりや〳〵、ちよぎりや、ちり〳〵やなどあるは、換の音といふ也、これ等にてもさとるべし、