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近世奇跡考

朝妻船讃考
朝妻船賛 隆達がやぶれ菅笠、しめ緒のかつら、ながく
伝りぬ、是から見れば、あふみのや、
あだしあだ波、よせてはかへる浪、朝妻船の浅ましや、鳴呼またの日は、たれに契りおかはして色お、枕はつかし、偽がちなる我とこの山、よし夫とても世の中、
北窻翁一蝶画讃○
〈の文、世にうつし伝ふる所、あやまりおほし、今柳塘館所蔵の正筆お以てうつし出す、〉