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毛利家記
二
上様、〈○豊臣秀吉、中略、〉御諚にて、秀元は則御宿へ帰らせ給ひ、急出船まし〳〵、小倉お半里程出給ひ、跡お見給へば、船一艘見べし、定て御座舟にて有べきぞ、何とぞして御先に関へ著せ給ふやうにとて、急がせ給ひけれども、御座船は櫓数と雲、水手と雲、はや秀元の御舟より十町計先立てけり、