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和漢船用集
四/舟名数海舶
渡海(○○) 小早舟(○○○)と呼、関舟の小早とは各別にて、早舟に次の小早なり、このゆへに五六端帆より、大船は十七八端にいたる、いづれも小早と雲也、中国九州の堺、長州赤間が関、豊前門司が関、此渡海の舟、小倉渡海(○○○○)と雲、総屋形、総矢倉也、左右に蔀ありて、舲あり、台有て垣立なし、近比艫に垣立お用、此舟、豊前、周防、長門の国に有て、小倉舟(○○○)お名とす、九州の諸士、交代の乗船、又旅客おのせて、常に摂州より小倉に往来す、下荷物お積て、上の倉(やかた)に衆客装のすべし、是渡海舟の第一とす、渡海造りといふ者一法也、