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和漢船用集
六/河海江湖猟船
猟船(○○) 魚船〈郷談〉打魚船〈水滸傅〉捕魚船〈正音〉並に同じ、凡海中の猟船、その大なる者、五六十石程の舟にすぐべからず、舟の中倉に仕切お入、加敷上棚の舟ばらに夾間おあけて、潮お舟の内に出入せしめ、其うちへ魚おとりいるゝなり、生魚舟也、又篽(いけす)ともいへり、〈○中略〉働処の舟は、沖網には、猟船の中の大船二隻お用、内に絞車(ろくろ)お立、船に碇おろし、うごかざる様にして、絞車おまいて両船より是お引小船は網の廻りに有て、舷おたゝき、又竹にて水面お打、魚おしてにげざらしむ、是漢に長狼後に鳴と雲者なり、其外皆小船お用、猟船と雲は、大船小船によらず、河海江湖ともに、漁猟する船の総名也、